裁判で有効な浮気(不貞)の証拠
浮気(不貞・不倫)の証拠といえば、ラブホテルに入る写真というものが一般的なイメージだと思います。しかし証拠はこれだけではありません。
ここでは裁判において「不貞の証拠」としてどのようなものが有効(価値が高い)であるのかをご説明いたします。
不貞行為を示す有効な証拠
- ラブホテルへの出入り
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一般的にラブホテルは「宿泊施設」というよりも「男女が性交渉をする場」として利用されており、そのように認知されていると思います。
不貞行為の定義とは「配偶者以外の異性との性的関係」ですから、ラブホテルへの入室=性的関係があるものとみなされる可能性が極めて高く、不貞行為を示す証拠としては最も有効な証拠といえます。
- 宿泊施設への出入り
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ここでいう「宿泊施設」とはシティホテル・ビジネスホテル・旅館などを指します。
こちらはラブホテルと違って性交渉することだけが目的の場所ではなく、仕事として利用されている方も多くおります。よってこの点が言い訳に利用される可能性が高いと言えます。
ただしこれらの施設に入る前に両者がキスを交わしていることや手を繋いでいる場面が確認できれば、それは一般的に見て「仕事上の関係」とはいえませんから、その流れでこれらの施設に入る場面を押さえることができれば不貞行為を示す証拠としては価値の高いものになると思われます。
- 愛人宅への出入り
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こちらも証拠の価値としては大変有効かと思われますが、両者の関係が同僚や上司・部下など仕事の関係である場合は、2と同様に「仕事の打ち合わせのために訪れた」という反論が予測されます。
ただしこれらも2同様、愛人宅に入る前に両者がキスを交わしていることや手を繋いでいる場面が確認できれば、それは一般的に見て「仕事上の関係」とはいえませんから、その流れで愛人宅に入る場面を押さえることができれば不貞行為を示す証拠としては価値の高いものになると思われます。
上記の3つに共通して言えることですが、証拠としての価値を高めるためには「入る場面」と「出る場面」の2つが必要であるということです。それはなぜかというと滞在時間が考慮されるからです。
入る場面のみで監視を終了してしまった場合、後々相手方と争ったときに「いや、この直後に出ている」という反論を与えかねません。一般的に最低2~3時間滞在した事実が必要とされています。
また1回の浮気の証拠よりも2度、3度と繰り返し浮気をしている証拠があった方が、より多く慰謝料が取れる場合もあり、また2度の証拠をとる場合においては、短期間で2度の証拠を取るよりも、長期間で2度証拠を取った方が有効とされています。
不貞の証拠として価値が期待できないもの
- 不貞行為に及ばない
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配偶者が異性と会って食事や映画鑑賞するなど、両者がデートをする様子は確認できてもホテルに行かないケースです。
不貞行為は肉体関係を伴う事が条件になりますから、肉体関係が無ければ不貞行為としての立証は難しいと思われます。
不貞行為を示す有効な証拠
- 性行為の録画
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不貞行為を裏付けるものとしてこれ以上のものはありません。
私どもはホテルなどの入室までは撮影できても室内の様子まで撮影することはできないからです。
不貞の証拠として高い価値が期待できるもの
- 性行為の録音
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配偶者の車や所持品に録音機を隠しておき、配偶者と愛人の性行為を録音するものです。
ただしこれらは争いになったときに「行為まではしていない、言葉遊びをしていただけだ」といった反論が予測されますので、尾行調査とセットで行えばより完璧なものになると思います。
実例
妻の浮気調査を実施いたしました。妻は愛人男性と合流し、愛人男性の自家用車に乗ります。
車はホテルに行くのではなく、人気のない公園の駐車場に行き、3時間ほど動かない状態となります。
車中では両者の性行為が行われている事が容易に想像付くのですが、性行為を裏付ける決め手がありません。
この調査は数回実施いたしましたが、場所は違えど毎回人気のない場所で2~3時間車が動かない状態となりました。
本件は現在離婚調停中ですが、このようなケースで録音機により両者の性行為が明らかとなれば不貞行為を完璧に立証できたものと思います。